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【サラバ、本 宣言】

 果てしなく広がる大宇宙の中で、地球というこの星は、絶妙のバランスをもって誕生した。
 恒星太陽との絶妙な距離、太陽の周りを廻る絶妙な軌道、かつまた月という絶妙の距離と引力をもって地球の周りを廻る衛星―――。
 それらが奇跡のような絶妙のバランスの上に影響しあい、地球に素晴らしい自然環境を作り上げてきた。
 その素晴らしき環境ゆえに誕生した人類は、豊かな資源を利用することで、高度な文明をもつことができた。
 だが、それら文明が高度になればなるほど、資源を利用するということから、その資源を、そして環境を、破壊することへと移行し、ここ百年では、その破壊のスピードとパワーが飛躍的に伸び、地球を重傷を負った星≠ノ変えてしまった。
 そして、ここ十年から二十年の間に、破壊の凄まじさは恐るべきものとなり、我々が快適で豊かな生活を送れば送るほど、悪魔的なエネルギーをもって地球に襲いかかり、この美しい星を、
「死を迎えるだけの、末期ガンの星」
 に、してしまった。
 このままではこの星は滅びる、なんとかしよう―――という声がなかったわけではない。だが、その声も、大国のエゴや富を狂ったように追い求める獰猛な利益追求者集団の前には、無力だった。
 わたしもまた、豊かな生活を追求し、より快適な生活をする以上、地球を破壊する側にいることは間違いない。
 だが―――、
 これでいいのか?
 このままでいいのか?
 何もしないで、指をくわえて、この美しい星が滅びてゆくのを、眺めているだけでいいのか。
 そのことを思い悩んできました。
 
 今、地球環境の破壊は、一人一人が「エコ意識をもって、ハイブリッド・カーを買いましょう」というレベルではなく、人類が総力を挙げて地球環境保全の闘いを展開しなければならないレベルにあると思う。
 地球とか国家というレベルでそのことを思うと、やらなければならないことがあまりに膨大で、しかもその結果が絶望ということになるのは明らかであり、行動する力を奪われてしまう。
 もはや、我々一人一人が、小さなことからでもいい、地球環境保全の闘いを始める以外に、地球の明日を救う道はない。
 わたしは、わたしのやれる範囲で、それを始めようと思う。
 
 炭酸ガスの排出量を抑えようという形での環境保護の動きはあるが、それよりももっと重要なのは、炭酸ガスを吸って酸素を作り出すという光合成という奇跡のシステムをもつ森林や珊瑚の破壊を食い止めることだと思う。
 日本および日本人の紙の消費量は世界最大であり、世界中の森林を丸刈りにしているという現実がある。
 ティッシュやトイレットペーパーをはじめとして、我々は狂ったように紙を、地球の空気清浄器ともいうべき森林資源を、大量に消費している。
 そのことを少し抑えるだけで、地球環境保護の闘いに参加できるのではないか。そこで―――、  
 本という大量に紙を使う形での、作品の提供をやめます。
 本という形での小説は出しません。
 
 すでにわたしは、数年前に譲太郎マガジンというものを立ち上げて、新作はすべてそのマガジンに掲載し、ネットによるメール配信と、CD―Rに作品を入れて郵送するやり方で、会員となってくれた方々に、直接お届けしております。
 そのやり方に、全面的に移行します。
 つまり、本よ、さらば、であります。
 本と決別します。
 今後、続々と世に問うであろう、桑原譲太郎および桑原譲の小説は、書店では入手できません。
 
 わたしのような無名の、非力な作家が、本にしないという程度で、なにができるのかという思いもありますが、まずやれるべきことから闘いを始めたいと思います。
 自殺行為だという人もいるでしょうし、自滅の道なのかもしれません。貧困のなか餓死する日が待っているのかもしれません。
 だが、わたしは、前に進めます。
 逆に開き直り、
「もはや、小説は本で読む時代ではない」
 そう断言しておきます。
 
 エコに生き エコに死すとも 悔いはなし
             われの生命(いのち)は この地球(ほし)賜物(たまもの)
 
 環境保全の闘いを開始したからといって、理屈っぽい作品や小難しい小説を書くつもりはありません。
「面白くなければ、小説ではない」
 というのが信念であります。
 これからも、そしていつまでも、絶対に面白い本を、感動を、涙と笑いを、あなたのもとに、直接届けたいと思います。
 さあ、あなたも、覗いてみませんか。
 桑原譲太郎の世界を―――。


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